省エネルックですか、…。

 

本に読まれて

本に読まれて



 電車の中で読書するのだが、近頃目が疲れて外をぼんやりと眺める時間が多い。車内、アナウンスが英語でナカーノと流れている。メトロ東西線では、ナカノと淡々として流れていて、JRのようにいかにもイングリッシュな感じでなかったことを思い出した。イーユン・リー【千年の祈り】の訳者あとがきを読んだら、母国語では書けないが英語だとたんたんと書けることが記されているが、これはどう意味を表しているのか。母国語だと生々しい部分も英語だとすんなりとした表現ができるのか。ここではこう書いてある。[「中国語で書くときは自己検閲して」しまい「書けなかった」、だから英語と言う「新たに使える言語が見つかり、幸運だと思う」とリーか語っている。]
 高円寺のホームの発車音も8月に入って阿波おどりのテーマになっている。高円寺の阿波踊りも、もうすぐだ、これが終わると夏休みも終わりか。一度しか、見ていないが行ってみるか。しかし、あの甲高い鐘の音が耳の悪い私には耐えがたい。
 帰り、電車内で40代くらいの女性のスカート姿だが、片方膝下まで長い黒い靴下で、片方は靴下がなかった。普通に悠然と歩かれていたので、これもファッションなのだろうか。『片方が?』と聞くと、『あーあ、これですか省エネなんです』と答えてくれそうな気もする。
(モンガの西荻日記より)



 購入本
  《Og》
   立原正秋      【立原正秋全集 第一巻】角川書店
   立原正秋      【立原正秋全集 第二巻】角川書店
   須賀敦子      【本に読まれて】中央公論社


  《N・O》
   塚本邦雄      【菊帝悲歌】集英社
   黒田喜夫 北川透 【現代詩論8】晶文社