サイハテと底なし沼など

 11過ぎに家を出る。吉祥寺まで歩いて行く。ちょっと早足だと汗を掻くので、ゆっくりと歩く、気持ちよい。あちこちの住宅街の垣根から花々が見える。そのなかでも一番の盛りはバラの花だ。ゆっくりだと真っ白、まっ黄、まっ赤などのバラがキレイによく見えるスピードだ。『吉祥寺ごちゃまぜ古本マーケット』の会場へ。本当に『百年』さんのすぐ隣りという感じだ。一回りしたが、名前どおりで本がごちゃまぜだ。何も買えず。AからDまで4班あるようだから次に期待することに。ささまに寄って、五反田の南部古書会館の古書展へ。藤枝静男愛国者たち】講談社、美本で300-なら買う。あと何冊か、安価のものを買う。ここからお茶の水で降りて、東京古書会館の古書展へ。ここでは珍しく買うものが、というより目に着くものがなかった。神保町をぶらついてヒナタ屋で休憩、ちょっと読書と昼寝(イスで)する。地下鉄に乗って、『出版記念幻燈トークショー「東京サイハテ観光 千駄木ほうろう」』http://www.yanesen.net/horo/info/1659を聴きに、いや観に古書ほうろうに行く。第一部が【東京サイハテ観光】の中で使用・未使用の写真のスライドを見ながら、写真家・中里さんと、ライター・中野さんのトークで進められていく。マジメな中里さんな解説と、熱気とアドリブ(アイデア)が効いた中野さんのトークがなかなか愉しい。第二部は、「房総サイハテツアーの報告会」と題してのフィルムを見ながらライター・渡辺裕之などをまじえて話がはずんでいく。サイハテの意味合いがぼんやりとした感じであるが分かる気がする。仕事の関係で何年か、千葉にいて房総にも何度も行ったことがあるが、今回の写真に出たところに行ったことがない。サイハテの手前までしか見ていなかったのか。千葉には高い山などないが房総に不思議さが一杯ある地域だ。上部ではガスが噴出し、年に何ミリか海岸線が隆起して、地震も多発地帯でもある。サイハテであっても、日本本土では一番東よりにあり、一番早く太陽が輝きだす、そこが房総なのだ。今日のお客さんはナンダロウさんは勿論、YOさん夫妻や、先日の「街を絵はがきにする」に来た人たちの姿もあった。ドンベイ・ブックスさんも今日から古書ほうろうに一箱古本市を出していて来られていた。トークの休憩時、噂の底ぬし沼の箱を見てびっくりする、今日のトークに合わせて、東京、東京関連もので占められているのだ。えーぇ、こんな値段、思わず何冊も買ってしまう。3日に体験だけできなかっただけにちょっとだけ興奮してしまう。トークが終わって、ドンベイさんと本・古本談義していたら、宮地さんに打ち上げに誘われて参加する。古書ほうろうのカンバラさんが私の親戚の同じ苗字・漢字だと聞いて驚いた。ドンベイさんと一緒に外に出たら、雨が降り出し駅まで走る。JRが遅れていて1時に家に着く。いろいろあって、会って、程好い疲れだ。





《N・K》
  藤枝静男       【愛国者たち】講談社
  青柳瑞穂       【壷のある風景】日本経済新聞社
  小島政二郎      【北落師門】中央公論社
  火野葦平       【活火山】新潮社



 《O・S》
  中河与一       【中河与一代表短編集】読売新聞社
  佐々木基一      【芸術論ノートⅠ】合同出版
  三澤勝衛       【三澤勝衛著作集 第三巻】みすず書房
  河上肇        【河上肇全集10】岩波書店
  菊地芳一郎      【東山魁夷】時の美術社



 《D・B》
  矢川澄子       【わたしのメルヘン散歩】ちくま文庫
  近松秋江       【黒髪 別れたる妻に送る手紙】講談社文芸文庫
  金井美恵子      【愛の生活 森のメリュジーヌ】講談社文芸文庫
  都築響一       【TOKYO STYLE】ちくま文庫
  坂崎重盛       【TOKYO 老舗・古町・お忍び散歩】朝日新聞社
  東秀紀        【東京駅の建築家 辰野金吾伝】講談社