吾、見つけたり

 帰り、いつものように荻窪で降りて、ささまに寄り荻窪<ブ>に行く。店内商品20%引きの文字が店内至るところに張ってある。これはいいところに来たと思い文庫本の105-を物色して、折角だから単行本の200-を探す。後で気付いたのだが、22日、23日が20%引きだったのだが、今日はそんなことはどうでもいいのだ。棚の一番端に、目がいく、海炭の文字がすっーと入ってくる。えーと思い、手に取る。【海炭市叙景佐藤泰志の文字がすんなりと目に入ってくる。そんな感じのやわらかい文字の字体なのだ。帯はないが上品な本だ、まだ誰も見ていないように綺麗な本だ。中を見ると、集英社の新刊の宣伝があり、【海炭市叙景佐藤泰志の紹介には顔写真まで載っている。眼鏡を掛けたやさしそうな眼差しの人という印象だ。思えば、古本に興味を持ったのは、《西荻ブックマーク》で岡崎さんのトークショーを聞いたことから始まる。そのトークショーで、この作品【海炭市叙景】の一節を朗読を聞いた。岡崎さんの【読書の腕前】にも書いてあるが、本の持つ意味、読書が持つ意味にも深いものがある。【海炭市叙景】に会えたことが素直に嬉しい。


 購入本
  《O・S》
   尾坂徳司       【肉蒲団】千代田書房
   萩原葉子       【朔太郎とおだまきの花】新潮社
   大久保泰       【デュフイの歌】毎日新聞社
   森有正        【アブラハムの生涯】日本基督教団出版局
   中山義秀       【咲庵】講談社
   吉本隆明       【悲劇の解読】筑摩書房


  《Og》
   佐藤泰志       【海炭市叙景集英社
   大江健三郎      【懐かしい年への手紙】講談社
   馬場啓一       【白州正子の生き方】講談社文庫
   玉村豊男       【エッセイスト】中公文庫
   江國滋        【滋酔郎 俳句館】朝日文庫
   日野啓三       【夢を走る】中公文庫
   平田俊子       【ピアノ・サンド】講談社文庫
   嶽本野ばら      【エミリー】集英社文庫