寺山ワールド

 寒い、今日は、ぐっーと気温が下がっている。古書展に出かけるつもりだったが、急遽【寺山修司のすべて】の方にする。古書展は毎回参加できるが、トークショーは今回だけなので。西荻窪の駅から直接東西線が乗り入れている電車に乗る。早稲田大学に、ちょっと早めに着いたので、早稲田の森の紅葉を楽しむ。大隈講堂の前では、ユニフォームを着た女学生がチアリーダーの練習をやっている。元気があって、きびきびしていて眺めていても気持ちがいい。大隈講堂の中に入り、地下の小講堂の受付に行ってみるが、まだ開場になっていないので待つ。お客さんが一杯かと思ったが、左程でもない。開場されて、座席に座ってしばらくしたら時間通りに『さらば箱舟』が始まった。寺山作品は、何本も見ていないが、昔の風景と現代の風景が交差するシーンを多用されている印象だ。幻想でもなく、なんだろうか、寺山作品のモチーフになっているのは、子供時代の何かが影響しているようだ。それにしても寒い、床から足に寒さが伝わってきて、膝が小刻みにふるえてしょうがなかった。そして最悪なのは、音響が良くない。高い音、乾いた音が耳に入ってきて、耳が悲鳴をあげてしまう。一時的に外に出ていようかと思ってしまうほどだ。音響設備が整備されていない。キーキーの甲高い音にはほとほと参った。主演、小川真由美山崎努原田芳雄高橋洋子高橋ひとみなどといつも寺山作品で見かける人たちが出ていて懐かしい感じがする。画面に映る貞操帯がユーモラスな感じもした。トークショー、5人で篠田正浩監督のトークは寺山との関わりや、小津安二郎木下恵介などの松竹の監督、助監督の話が聞いていて楽しい。最初の篠田正浩監督、寺山修司脚本が神楽坂の旅館で練られたなど、聞けない話ばかりだ。昼は『五十番』のラーメンを食べていたなど。私も神楽坂の坂の上に住んでいた時期があるので、『五十番』が出てきたのにはびっくりした。ここの名物の肉まんが一番おいしいと今でも思っている。小津安次郎の話題が多く聞けたこともよかった。もちろん、寺山修司の俳句、短歌、演劇、映画のことも聞けた。
 トークを聞いていても、寺山修司という人がどれほど愛されていたかということがわかる。来年が没後25年ということで何かと寺山作品が見直されるだろう。






寺山修司のすべて】
2007/11/16(金)・11/17(土)12:30-16:00(開場:12:10)
会場 早稲田大学大隈小講堂(大隈講堂地下1階) 
対象 学生・教職員・一般
参加申込み費用 入場無料・直接会場へ
http://www.waseda.jp/open/docs/20071116-7masters.pdf
(pdfファイル注意)