【図書館が面白い】

 購入本
  《O・S》
   大岡昇平      【逆杉】新潮社
   上林暁       【ばあやん】講談社
   中山義秀      【武辺往来】中央公論社
   竹久夢二      【あやとりかけとり】ノーベル書房
   石川惇       【文林通信】中央公論社
   有馬頼義      【月光】毎日新聞社
   古山高麗雄     【プレオー8の夜明け】講談社
   武田泰淳      【上海の蛍】中央公論社
   武田泰淳      【私の中の地獄】筑摩書房
   三浦哲郎      【回想のある風景】鎌倉書房
   野坂昭如      【好色覚え帳】新潮社
   野坂昭如      【エッセイ集2 卑怯者の思想】中央公論社
   新藤兼人      【ボケ老人の孤独な散歩】新潮社
   関口隆克      【関口黙山遺歌文集 空のなごり】刀江書院





 紀田順一郎【図書館が面白い】ちくま文庫を読む。12の図書館が紹介されている。それぞれの図書館が出来るまでの過程が凄い。そのなかでも、「東京ゲーテ記念館」の章が読んで一番ジーンと来てしまう。ゲーテに魅了された粉川忠の壮大な生き方である。ゲーテ収集に一生をささげた人の話であり、記念館でもある。平成元年に亡くなっているが、夫婦は結婚いらい、ただの一度も映画や芝居を見たことがなかったというからにしても、時間を惜しんでゲーテ収集にかけたすさまじさがわかる。駒込に住んでいたときに、今頃バラが美しい旧古河庭園には何度も行ったが、そこからちょっと足を延ばせば「東京ゲーテ記念館」があったのだから。