〔写真の日〕に

6月1日は、〔写真の日〕 だった。東京古書会館の古書展・『アンダーグラウンド、ブック・カフェ』で、田沼武能【回想 山口瞳】を見る。見ながら思ったのは、やはり何枚もの写真が撮られる人生も、撮れない人生よりいいように思える。何も有名な写真家に撮られるということでなく、家族に撮られる、友人に撮られることでいいのだ。私はカメラを買って、キャノンの初級コースで合地先生に習って、東京の散歩コースの本を持って、その本に載っている写真と同じ構図で撮って歩いた。東京にも随分いい公園や庭園があるのに驚いたものだ。そのなかでも向島百花園が一番印象に残る庭園だ。こじんまりとした中にいろんな面を見せてくれる。水がとうとうと流れている。ここはオススメである。写真は、ありのままが写る、男優は皺まで写すが女優はピントをぼかして写すのだそうだ。写真は感性だと思う。何枚も撮って眺めるが、平凡なものばかりだった。そのうち撮るのをやめてしまった。部屋の片隅にカメラバックから今日も嘆き声が聞えるのだった。



購入本
  《Og》
   外山滋比古    【あたまの目】みすず書房


  《O・S》
   山本夏彦     【完本 文語文】文藝春秋
   ミッシェル・サロモン編 辻由美訳 【フューチャー・ライフ】みすず書房