『アンダーグラウンド、ブック・カフェ』へ

  今日は早めに家を出る。連日の雨模様と打って変わって青空で良い天気だ。御茶ノ水で降りて、水道橋よりの改札口を利用するので電車も後ろに乗る。水道橋で乗客が半分ほど降りて行った。そうだ、今日はダービーなんだ。それにしても、以前、私もちょっとはまっていた時期があるがもっと大勢の人たちがいたように思うが、今日は立っている人がちらほらという電車の状況なのだ。馬券の購入もネット、ケイタイでも出来る時代なのでわざわざ後楽園まで出かけてくる人は少なくなったのか。会社でも競馬の話題をする人が少なくなった、ダービーの週は、それなりに盛り上がっていて、競馬に参加したことがない人でも買っていたが、そんなこともなくなった。東京古書会館の古書展・『アンダーグラウンド、ブック・カフェ』へ。この古書展は、いつもの古書展のスタイルと違っていて楽しい。いつもの棚が並んでいない、壁周りだけで、中央部に休憩するテーブルなどや、イベントや、雑貨販売にもなっていて、華でいてしゃれた感じだ。いつもセンスが光る旅猫さんの模様を。(http://tabineko.seesaa.net/article/98887846.html#comment)一回りして、目に留めたのを再度見て何冊か購入。キャラメル・ラテを飲んでいると岡崎さんが来られて、ちょっと話す。『モダニスト佐野繁次郎の装幀について+佐野本の集め方』のトークショーへ。林哲夫さんの佐野繁次郎の装丁が、どのようにして形成されていったのかをこじつけとおしゃっていたが佐野繁次郎に影響を与えたもの、家、親戚縁者、友人、環境などをプロジェクターを使って解説された。なるほどそうなのかと、あの独特な字体や絵柄もと思う。後半は西村義孝さんの佐野本の集め方についてだったが、収拾歴がこどものころからと聞いて妙に納得してしまった。リスト表を作って、それを見ながら古書展に行くと目に着きやすい、浮かんで見えてくるという。参考になるか、ダブり本が多いから。講演のあと、2階の『佐野繁次郎の装丁モダニズム』展を見る。こんなに一同に見ると圧倒される。解説を聞いて見るので、その装丁の奥が垣間見える気がした。そのあと、『編集者・国木田独歩と謎の女写真師』と題しての、黒岩比佐子さんの講演を聞く。笑顔が素敵な人でソフトな語り口だ。前半の独歩の話もだが、後半に出てくる謎の女写真師の話に引き込まれてしまった。見つけ出した達成感がドラマ、ドキュメンタリーなのだ。苦労して、苦労して、足を棒にして歩き回って、時にはマイクロフィルムを見ながら嘔吐したりして、…。こんな話を聞いて、やっぱり人と人の繋がりなんだと思ってしまった。講演会の模様は、書肆紅屋さん(http://d.hatena.ne.jp/beniya/)で詳しく載っているはずだ。講演会では書肆紅屋さんの隣りで聞いていたが、ちゃんと要所要所はメモを録られて聞いておられた、流石。書肆紅屋さん、北方人さん、嵯峨さん、三五さんなど今日はいろんな人たちに会って楽しかった。YOさんから頂いたコピーはじっくり読もう。

 購入本
  《T・K》
   獅子文六    【南の男】新潮社
   北村太郎    【詩人の森】小沢書店
   富士正晴    【日本の地蔵】毎日新聞社
   富士正晴    【あなたはわたし】未来社


  《O・S》
   秋山英夫    【キルケゴールニーチェ理想社
   江原通子    【瓔珞をはづす時】柏樹社
   堀田善衛    【聖者の行進】筑摩書房
   宇野信夫    【皇帝】青蛙房
   大類伸     【桃山の春】富山房
   柳宗悦     【茶と美】乾元社


  《N・O》
   蒲生正男・大林太良・村武精一 【文化人類学角川書店
   大庭みな子   【浦安うた日記】作品社
   中里恒子    【土筆野】文藝春秋