長嶋有さんは大きかった。

 今日は、東京古書会館の古書展・新宿展へ行くべき電車に乗る。が、快速に乗り換えるために、荻窪で階段を下りるとちょっと覗いて見るだけと、ささまに寄ってしまった。棚に一杯の文学論的なものがある。お客さんも大勢いるが、この類のものに手を出さない。いつも思うのは、オジサンたちは何を求めているのか。もっとスゴイものか。古書・古本を選んでいる基準が一人ひとり違って当り前だが、どんな眼目で見ているんだろうか、わからない。カゴ一杯になったので精算する。外に出て、気が付いたらガード下を歩いていた。荻窪<ブ>に寄る。携帯・時計を見たら、大変なことに。御茶ノ水へ。東京古書会館の古書展・新宿展を一回りする。時間が、2冊文庫本を買う。急いで御茶ノ水から西荻窪に向うが乗ったのが特快で三鷹まで行って引き返す。4時45分ころに西荻ブックマークの第21回「スポンジスター販売テコ入れトークショー」の会場に着く。ブルボン小林カラスヤサトシさんのトークショー。お客さんの8割くらいが女性だ、そして、9割くらいが常連さんのようだ。知った顔が、トムズボックスの土井さんがいらしゃっていた。長嶋有さんが入って来られたときに、ちょっと驚いた。大きい。写真で見たことがあるが勝手にもっと小柄の人だと思っていたからだ。トークは、「スポンジスター」の<世紀末>の話が目一杯に。デーモン小暮は、かろうじて知っていたのでよかった。長嶋有さんのトークがうまく、カラスヤサトシさんのツッコミもほどよい。お客さんたちも笑顔、笑顔だ。何か、調和しているようだ。休憩をはさんで2時間もあっという間に。買った本にサインして頂く。『「スポンジスター」のことは初めてですが、小説は読んでいます』と言ったら、『すみません、小説のことをちょっとしゃべった方がよかったですね』と言ってもらう。カラスヤサトシさんにも家人bのためにサインしてもらう。帰り、受付のオネエサンに『このあとの打ち上げに出席されませんか』と言ってもらったが『明日、会社なので』と変な言い訳をしてしまう。折角、長嶋有さんやカラスヤサトシさんに話を伺うチャンスなのに、今一歩が踏み出せない自分が嫌になる。長嶋有さんの小説は、普通だけど知らず知らず引き込まれて読んでしまっていて、読んだあとに何か幸福感があるような気がする。帰り、音羽を覗いて帰る。そう言えば、会が始まる前に「スポンジスター」の装丁:畠山さんに女性の人が店構えは普通だが、中に入るとスゴイいい本ばかり並んでいました、と言っていたが、これって音羽館のことだろうか。





 購入本
  《O・S》
   吉井勇       【短歌風土記 土佐】吉井勇先生顕彰会
   宮川寅雄:編 入江泰吉:写真【会津八一 鹿鳴集 奈良】淡交社
   慶光院芙沙子    【無用の人 萩原朔太郎研究】政治公論社
   本間久雄      【明治文学 作家論】早稲田大学出版部
   岩本堅一      【日本文学の写実精神】中央公論社
   保高徳蔵      【作家と文壇】講談社
   佐伯彰一      【物語芸術論】講談社
   木村聰       【吉野秀雄歌解】弥生書房
   安田武       【戦争文学論】勁草書房
   中島健蔵      【現代作家論】河出書房
   高橋俊夫      【荷風文学閑話】笠間書院
   丹羽文雄      【青麥】文藝春秋新社
   巌谷大四      【私版 昭和文壇史】虎見書房
   谷沢永一      【近代日本文学史の構想】晶文社
   村松梢風      【中国デカメロン文藝春秋新社
   瀬沼茂樹      【戦後文学の動向】明治書院
   田村泰次郎     【肉体の文学】朝明書院
   長谷川泉 選    【近代文学論争事典】至文堂
   杉山平助 【文藝五十年史】鱒書房
   川口松太郎     【古都憂愁】桃源社