香具師

 購入本
  《K・H》
   田中小実昌      【香具師の旅】河出文庫
   赤瀬川源平      【外骨という人がいた!】ちくま文庫



  《Kj》
   藤枝静男       【空気頭・欣求浄土講談社文庫
   吉川潮        【江戸前の男 春風亭柳朝一代記】新潮文庫




 西部古書会館に行って、古書展を見て、六本木の新国立美術館日展を見る予定だったが、正午過ぎまでゆったりしてしまったのであきらめて、2時半過ぎに吉祥寺まで歩いて行く。思ったより、外は温かい。東京女子大の曲り角で前を歩いていた3人の若い女性の会話、『東京女子大を通おるといい匂いがするのよ』『そんな感じがするね』。イメージだけのような気がするのだが。吉祥寺、凄い人出です。アーケードの架かったサンロードは、歩けないくらいだ。何軒かの本屋に寄って、カフェに入って本を読むが、どうも落ち着かない。色川武大【怪しい来客簿】を読んでいると、神楽坂の露店のことが書いてある。この本では、昭和10年ころだが、私が住んでいた40年後半にも露店が立っていた。5の日は、毘沙門天の前に露店が立つ、バナナ売りの叩き売りの前は人だかりがしていた。一度だけ、勇気を出して買ったのだが、なかなか安値の声のときに『買った』というかけ声をいうのが難しい。そんな、昔が懐かしい。色川武大さんも牛込の生まれで神楽坂は、庭のようで神楽坂の話がよく出てくる。コーヒーを飲みながら、買った本を眺めていたら、田中小実昌香具師の旅】河出文庫があった。バナナ売りの叩き売りの人たちも『香具師』というようだ。



 
 

香具師の旅 (河出文庫)

香具師の旅 (河出文庫)