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建築家・吉田五十八の作品には、大きなビルなどがあるが、住宅が際立っていいように私は思う。この本で、最初の項[吉屋信子邸]で、取材記者がこう書いている。
「新宅の外観はあたかも洛北あたりの数寄屋に見るような瀟洒な姿。杉の格子戸をひらいて一歩入ると白い川砂に黒竹がまだらに生え、門の裏側が供待風の亭になっている。座敷の柱は全部節無しの杉の丸太の磨き出し、梁と屋根は竹づくめ。断髪洋装の吉屋信子さんにはちと不似合いな好みだなあ……と思うとたん、ぶつかったのがこのベランダ。ここにドッカと腰を下ろして細巻をくゆらす女史を見たい」
- 作者: 砂川幸雄
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 1992/01
- メディア: 単行本
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購入本
《N・O》
石川淳 【至福千年】岩波書店
吉田秀和 【私の好きな曲】新潮文庫
《O・R》
砂川幸雄 【建築家・吉田五十八】晶文社
近藤在志 【現代教会建築の魅力】教文館
《Og》
マルセル・プルースト 鈴木道彦:訳【失われた時を求めて】集英社
新潮社:編 【昭和文学アルバム(Ⅰ)】新潮社