木村伊兵衛に心躍る

 今日は、日曜日であるが神保町の古書会館の新宿展を開催されているので行くことにする。新宿展は変則的で、日、月、火の三日間開催なのだ。前夜まで六本木の国立新美術館の展覧会に行こうと考えていたがどういうわけかお茶の水の方に向いていたのだ。どうも六本木の国立新美術館というのが馴染みが薄く行きにくい感をしている。上野の森ならすんなり行っていたかも知れない。古書会館の新宿展は、午後行ったせいもあるかも知れないが部屋に入るとのんびりした雰囲気である。昨日の書窓展と違った棚の並びなので、また新鮮に見えるから不思議だ。順繰りに見て廻る。値段のつけ方が買う客をくすぐる気がする。全集が2冊が並んでいて、同じ全集の巻が何冊かは別のところに置かれていたりする。早稲田古本屋さんの気質だろうか、きっちりと畏まっていない人が多いのだろうか。ゆっくり見ていたら、木村伊兵衛【小型カメラの写し方・使ひ方】玄光社、という本を見つけた。背に【小型カメラの写し方・使ひ方】と写真大講座があるだけで、実用書のようなものかと思って中身を見て驚いた、木村伊兵衛著の文字がある。目次を見ると、小型カメラの歩みと活し方の記事が22ページまであり、その後は写真がぎっしりと載っているのだ。人物の項には、長谷川如是閑徳富蘇峰志賀直哉佐藤春夫横山大観山田耕筰、菊地寛、横光利一なども載っている。木村伊兵衛、やっぱり市井の項はいい。昭和12年の発行で装幀が恩地孝四郎になっている。状態はよくないがそれでもいい写真が一杯載っている、これはスゴイ拾いものだ。



購入本
  《T・K》
   木村伊兵衛      【小型カメラの写し方・使ひ方】玄光社
   塚本邦雄       【うつつゆめもどき】創元社
   三杉隆敏・佐々木聖  【ペルシャ絨毯文様辞典】柏書房


  《N・O》
   河上徹太郎      【文学三昧】新潮社
   渋澤龍彦       【うつろ舟】福武書店
   海野弘        【千年の山の太子】河出書房新社



  《Og》
   渡辺秀英       【良寛詩集】木耳社



  《O・S》
   秋山駿        【秋山駿批評Ⅳ】小沢書店
   篠田一士       【日本の現代小説】集英社
   藤原明夫       【中原中也の復活】東京書館
   守田志郎       【登呂】農山漁村文化協会
   若杉慧        【半眼抄】木耳社
   安住敦        【市井暦日】東京美術
   安住敦        【軒端の梅】明治書院