桜庭一樹にみる書くということ

  昨日、《情熱大陸》を見た。【私の男】で直木賞を今回受賞された桜庭一樹さんだった。《情熱大陸》の撮影は、凡そ6ヶ月間くらいかかると聞いていたが、今回の撮影は、かなり短いように思った。直木賞の受賞時期を頭に入れてのことだろう。作家という人たちは、どういう生活・スケジュールで時間割しているのが、一読者として興味のあるところだ。今回の放送で簡単な時間割が映されていた。それによると、11時30分起床、12時半から14時半執筆、3時就寝、となっていた。間に、もっと大まかなものが入っている。たとえば、本屋パトロール、読書とか。これが、毎日繰り返されているという。試行錯誤でこういうスタイルが身に付いたのだろう。驚くべきは、読書に当てている時間である。1日1冊を読む、年間400冊。その表れが、玄関先まで本の洪水で、宅配便の人が開けたとたんに驚くらしい。作家という職業の人は、読書することで自分の作品と混同しないのか、あるいは文章のフレーズが残っていて使ったりしないのか、疑問に思った。角田光代さんのトークショウでは、抑揚するために読んでいるみたいなことを述べられていた。読んで、感情が昂ってきて、書きたい気持ちになるということらしいのだ。桜庭さんは、「読まないと書けない」らしい。作家の頭の中がどうなっているのか知りたいものである。桜庭さんの本を書くテーマは、一線を越えたときに家族、友人はどうなるのか、そんな意味のことをおしゃっていた。私は、まだ桜庭一樹さんの本を2冊しか読んでいない。


私の男

私の男


 購入本
  《O・S》
   福永武彦       【意中の文士たち 上 】人文書院
   福永武彦       【意中の文士たち 下 】人文書院
   亀井勝一郎      【王朝の求道と色好み】文藝春秋新社
   澤野久雄       【愛する権利】集英社
   澤野久雄       【殺意への誘い】平凡社
   澤野久雄       【五條坂】新潮社
   加藤周一       【芸術論集】岩波書店
   森本ヤス子      【虹夫人】講談社
   中村真一郎      【神聖家族】新潮社
   武田泰淳       【上海の蛍】中央公論社
   蔵原惟人       【小林多喜二宮本百合子】東風社
   武者小路公共     【道草十万里】日本評論社



  《Og》
   開高健        【ベトナム戦記】朝日文庫
   紀田順一郎      【世界の書物】朝日文庫
   山内義雄矢野峰人編 【上田敏全訳詩集】岩波文庫
   群ようこ       【本取り虫】ちくま文庫
   須賀敦子       【ユルスナールの靴】河出文庫
   阿佐田哲也      【次郎長放浪記】中公文庫

 

ベトナム戦記 (朝日文庫)

ベトナム戦記 (朝日文庫)